第5段(終章) 約束の夏

   土の中にいるときから、僕は彼女にもう一度会うと決めていた。そして今彼女は手の届くところにいる。僕たち蝉は長い年月を土の中で暮らし、成虫になって数日で死んでしまう。僕は彼女ともう一度会うことができた。まわりでも仲間たちが大声で呼びかわしている。今年も夏がやってきた。