第1段(序章) 約束

   僕は彼女と約束をした。光の全く届かない、ときおり響く振動以外に音のない世界、僕以外に誰かいるなんて思ったこともなかった。その闇の中で僕らは偶然出会った。お互いに触れ合うだけで言葉も交わさなかった。僕はもう一度彼女にあってそして本当の気持ちを伝えようと思った。僕が上の世界に行くにはあと何年もかかる。だけど何年かかっても彼女にもう一度会いたいと思った。彼女とは偶然出会っただけでもう一度会えるかどうかも定かではない。しかし、僕にはもう一度会えるという根拠のない確信のようなものがあった。この世界をでたらすぐに探さなければならない。時間は限られているのだ。僕は光のない暗闇で彼女と出会った。