舌下免疫療法(スギ、ダニ)

舌下免疫療法(ダニ、スギ)

◯アレルギー性鼻炎

今年はスギやヒノキによる花粉症がひどい年でした。花粉によるアレルギーもダニやホコリによるアレルギーも合わせてアレルギー性鼻炎と言います。主な症状はくしゃみ、はなみず、鼻づまりですが、眠ろうとしても鼻がつまって眠れない、薬を飲むと体がだるくなったり眠くなるなどの症状で困った方も多いと思います。アレルギーの治療にはアレルギーのもとになる物質アレルゲンを避ける、アレルギーの症状を薬で緩和する、アレルゲンに少しずつ体を慣らしてアレルギー反応を起こしにくくするなどの治療法があります。舌下免疫療法はアレルゲンを口から投与して体をアレルゲンに慣らしていく治療法で、低い濃度から始めて一定の濃度で長期間治療します。現在、スギ花粉症及びダニアレルギー性鼻炎に対して治療が受けられます。

◯舌下免疫療法

まず、スギ花粉症あるいはダニアレルギーがあるか問診と血液検査などを行いアレルギーの原因を調べます。スギかダニのアレルギーがあるひとがこの治療を受けられます。またスギとダニの両方の治療を同時に受けることは現在できません。気管支喘息や口の中に傷や病気のあるひと、血圧の高いひとでは治療を受けられないことがあります。妊娠中、授乳中、スギ花粉の飛散時期などの理由で治療開始時期を遅らせたりお断りすることがあります。年齢は6歳以上とされています。1分間あるいは2分間、口の中に薬を貯めておかないといけないので小さいお子さんは治療を受けられません。口に溜めた薬は1分間あるいは2分間が経過したら飲み込みます。薬はなるべく家族の見ているところで服用しましょう。初回はクリニックで服用し、その後30分間、気分が悪くなったりしないか注意深く観察させていただきます。その後は自宅で服用していただくことになります。1日1回薬を口の中で溶かして保持し、その後飲み込みます。5分間は飲んだり食べたりできません。治療期間は長期になりますので焦らず治療を続けましょう。

◯治療効果

舌下免疫療法の治療効果はすぐに発現しません。そのため従来の飲み薬や点鼻薬を続けることが可能です。7割から8割のひとに治療効果が見られます。1年でやめると効果がなく、3年以上続けることが推奨されています。3年間治療すると治療をやめても2、3年効果が持続すると言われています。

◯治療中の注意点

治療中、口の中が腫れたりかゆくなったりすることがありますが、治療初期の1ヶ月頃に多く認められます。数時間で改善することが多く治療を継続することができます。症状が重いときには治療を中断することがあります。強いアレルギー反応をアナフィラキシーと呼び集中治療が必要になります。緊急時に速やかに医療機関を受診することが重要です。当クリニックでは草津総合病院、近江草津徳洲会病院、滋賀医科大学附属病院に緊急時の支援をお願いしております。強いアレルギー反応が起きると意識がなくなることもありますので舌下免疫療法治療中のカードを身につけておいてください。急に気分が悪くなると自分ひとりでは対応できなくなるため、薬の服用はなるべく家庭で、家族のいるときに服用するようにしましょう。また、初めて薬を服用するときは医師の監視下で服用し、30分間は注意深く経過観察することが推奨されています。

こまクリニックでは舌下免疫療法を行っております。舌下免疫療法の詳しい内容を知りたい方は外来受診時にご相談ください。